我 こころの痛みと共にあり
~There is no person who does not hurt a heart.~
子どもの自殺予防 十三モデル
2021/11/8
昨年、大阪市立十三中学校 全生徒と教職員対象に、SOSの出し方・受け止め方研修をしました。
そして今年もお声か気頂き、生徒向け・教員向け・地域向けの講演をしました。
1年生、2年生、3年生向けの授業と、教員研修と地域向け講演の2日間、5本立てです。
先駆けていると思う点を2点記しておきます。
<続ける・積み重ねることの意義>
SOSの出し方教育、単発で呼ばれることが多く、極端な話、「やればいい」ような無計画な企画が多いのですが
十三中は、昨年SOSの出し方とストレスコーピングについて全学年受けているので、
今年の2、3年生は昨年の内容を踏まえアンガーマネジメントとアサーションについてワークしました。
こうして、自分と相手の心を守るためのライフスキルを
様々な角度から学び、SOSを出すだけではなく、自分の心をストレスから学んだり
嫌なことを嫌と断れる力をつけていくことはとても大切だと感じています。
1年生にはSOSの出し方とストレスコーピングについてお話をしました。
教員対象も2年目でしたので、昨年以降の自殺の動向を示しつつ
昨年はSOSの受け止め方とリストカットの対応でしたので
今年はSOSの受け止めの再確認と、トラウマについてお話をしました。
積み重ねと継続が大事だと改めて感じました。
<地域で守る>
実は今回の教員研修は、十三中校長屋島先生のお計らいで地域の小学校の先生方もお見えになりました。
小学校の先生が中学の先生方とSOSの受け止めに関する共通認識を持つことは
義務教育の中で一貫性があり、効果的だと考えます。
また、地域向けの講演では、子どもの心を守るということと、保護者の自尊感情も育むというテーマで
保護者さんをはじめ保護司さんら地域の方たちにもお声かけくださっていました。
そして、会場の最前列に、淀川区長が。区長さんまで。
これは十三モデル、地域も交えてがっちりです。
家庭が安全でない子もいる、学校が苦手な子もいる
だから、地域に子どもにとり、安全で安心できる場所、人がいるといいなと思います。
十三の子どもたちはきっと地域が守ってくれるでしょう。
子どもたちに「3人目前の大人に、あきらめないで相談してね」と
いつも授業で言いますが、3人目前までの大人がなかなかいないのが今の世の中で
「大人に言っても無駄」とあきらめている子も沢山います。
十三中の1年生の授業の後に、1年生の担当の先生が生徒さんに
「1番目にはなれないかもしれないけど、ここにいる教員、全員が3番目までにはぜったいになるから」と宣言されました。
聞いてて、号泣してしまいました。
授業の間もずっと先生たちは生徒のワークをお手伝いし一緒に笑い、一緒に考えてくださっていました。
こういうスタンスが「SOSを出せる関係性」の素地なのだと思います。
十三モデル。今後が楽しみです。